つながる力を引き出す!中小規模SaaSにおけるデータ連携設計のヒント コラム#163

コラムタイトル163

1. データ連携の話

中小規模のSaaSサービスが増える中で、「他のサービスとどうやって連携するか?」という課題に直面することが多くなっています。特に業務システムや顧客管理ツールと連携したいというニーズは強く、連携設計はサービスの価値を左右するといっても過言ではありません。でも、そんなに難しく考えなくても大丈夫です。ここでは、少しだけ視点を変えることで見えてくる“ちょうどいい”データ連携設計の考え方をお届けします。

2. データ連携の「目的」をはっきりさせる

最初に考えるべきは、「何のためにデータを連携するのか」です。例えば、顧客情報を一元管理したいのか、他システムからの受注情報を自動で取り込みたいのか。それぞれ目的が違えば、必要な連携方式も変わってきます。「目的ファースト」で考えることが、無駄のない設計への第一歩です。

3. 連携方式はシンプルが基本

中小規模SaaSの場合、運用やコストを考えると「できるだけシンプルに」というのが基本のスタンスになります。例えば、REST APIによるデータ連携は比較的シンプルで柔軟性が高く、構築・運用コストも抑えられます。リアルタイム性をそこまで求められないなら、バッチ連携(CSVファイル等)もまだまだ現役で活躍できます。

4. セキュリティと運用性のバランスを取る

API連携をする際は、セキュリティ対策が必須です。APIキーやトークンの取り扱い、アクセス制限、暗号化などの基本は押さえておきましょう。とはいえ、過剰な設計をしてしまうと、使い勝手が悪くなったり運用が煩雑になることも。現場の運用に合わせた「ちょうどよさ」が大切です。

5. 「スキーマ設計」は未来への投資

データ連携でよくある落とし穴が、スキーマ(データの設計)を適当に済ませてしまうことです。最初は数項目だったとしても、あとから「住所も入れたい」「取引履歴もほしい」と拡張したくなるのが常。今だけでなく、将来の拡張性も見据えたスキーマ設計をしておくと、あとあと楽になります。

6. SaaSならではの制約を逆手に取る

中小規模SaaSの多くは、リソースやカスタマイズ性に限りがあります。でもそれは「制約」であると同時に「設計のヒント」にもなります。例えば、「Webhookしか使えない」という仕様なら、「じゃあ受信側で柔軟に処理できるようにしよう」と発想を転換することができます。制限があるからこそ、無駄のない設計が生まれるのです。


データ連携設計において大切なのは、「理想を追いすぎないこと」。中小規模のSaaSでは、使いやすく、維持しやすく、きちんと目的を果たせることがなによりも重要です。凝った仕組みより、現場でちゃんと使われる仕組みこそが価値になります。地に足のついた設計を心がけて、SaaSの可能性を広げていきましょう!

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