AWSでのDDoS攻撃対策: システムを守るための最前線 コラム#30

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DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃は、特定のサービスを停止させることを目的とした大量のトラフィックを送り込む攻撃手法です。AWSを利用している場合でも、この脅威から完全に無縁というわけではありません。しかし、AWSは強力なセキュリティツールと防御戦略を提供しており、これらを活用することでDDoS攻撃を効果的に防ぐことが可能です。

1. AWS Shieldの活用

AWS ShieldはDDoS攻撃に特化した防御サービスです。以下の2つのプランがあります。

AWS Shield Standard
標準で提供されるサービスで、ほとんどの一般的なDDoS攻撃に対応します。追加費用がかからず、自動的に保護されます。
AWS Shield Advanced
より高度な保護機能を提供する有料オプションです。攻撃の詳細なレポートや24/7のサポートが受けられるほか、攻撃によるコストの補償もあります。重要なビジネスシステムを運用している場合は検討する価値があります。

2. Amazon CloudFrontとWAFでトラフィックを制御

AWS Shieldだけではなく、Amazon CloudFrontAWS WAF(Web Application Firewall)を組み合わせることで、防御力がさらに向上します。

Amazon CloudFront
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を利用して、トラフィックを分散させることで攻撃の影響を最小限に抑えます。攻撃トラフィックがリージョンごとに分散されるため、特定のリソースへの負荷集中を防げます。
特定のIPアドレスやルールを設定し、不審なリクエストをブロックする機能があります。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といったアプリケーション層の攻撃にも対応できます。

3. オートスケーリングで負荷分散

DDoS攻撃の一つの目的はリソースの枯渇です。これに対抗するには、AWSのオートスケーリング機能が効果的です。攻撃によってトラフィックが急増した場合でも、自動的にインスタンスを追加して負荷を分散します。
また、設定によって最大インスタンス数を制限することも可能で、攻撃によるコスト増加を抑えることができます。

4. VPC(Virtual Private Cloud)の設定を最適化

AWSでは、VPCを適切に設定することでセキュリティを強化できます。

セキュリティグループとネットワークACLを活用して、特定のIPやポートのみを許可します。
Elastic Load Balancer(ELB)をフロントに配置し、トラフィックの管理を強化します。

5. DDoSレスポンスチームとの連携

AWS Shield Advancedを利用している場合、AWSのDDoSレスポンスチーム(DRT)のサポートを受けることができます。これにより、攻撃の種類に応じた迅速な対応が可能となります。

6. ログとモニタリングで異常検知

AWSのCloudWatchAWS Configを使い、トラフィックの異常や設定の変更をリアルタイムでモニタリングします。ログを分析することで、攻撃の兆候を早期に発見できます。

DDoS攻撃を完全に防ぐことは難しいですが、AWSの多層的な防御機能を活用することで、影響を最小限に抑えることができます。特に、AWS Shield、CloudFront、WAFを中心にした防御戦略は効果的です。加えて、ログ分析やレスポンスチームとの連携を取り入れることで、より安心してシステム運用を行うことが可能になるでしょう。

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