AWS Fargateで実現する、やさしいコンテナ運用の最適解 コラム#171

1. コンテナとは?なぜ使われるのか

ここ数年、ITの現場で「コンテナ」という言葉をよく聞くようになりました。これはアプリケーションを「箱」に入れて管理する技術のことで、この箱の中にはアプリが動くために必要なものが全部そろっています。たとえば、ある人が東京で作ったアプリの箱を、そのまま大阪のサーバーで動かしても、環境の違いを気にせずにうまく動く――それがコンテナの便利なところです。

開発のスピードアップや、障害に強いシステムを作るために、多くの企業がコンテナを導入しています。ただし便利な反面、「どう管理するか」が難しくなるのも事実です。そこで登場するのが、今回のテーマである「AWS Fargate(ファーゲート)」です。

2. Fargateって何?どんな特徴があるの?

Fargateは、Amazon Web Services(AWS)が提供する「サーバーレスのコンテナ実行サービス」です。サーバーレスと聞くと、「サーバーがないの?」と疑問に思うかもしれませんが、実際にはサーバーは存在しています。ただし、その管理を人間がする必要がない、という意味で「サーバーレス」と呼ばれます。

Fargateを使うと、コンテナを動かすためのサーバーを自分で用意したり、細かく設定したりする必要がありません。アプリをどのくらい動かすか(CPUやメモリの量など)を指定するだけで、自動的に最適な環境が用意され、アプリがすぐに動き出します。

この仕組みによって、専門的な知識がなくても、効率よく、安全に、そして安定してコンテナを動かすことができるようになります。

3. Fargateを使うメリット

Fargateには、コンテナ運用をシンプルにしてくれるさまざまなメリットがあります。

サーバー管理が不要
物理的なサーバーや仮想マシンの準備・管理が不要になるため、インフラ担当の負担が大きく減ります。
必要な分だけ使える
アプリの利用が多くなれば自動的にパワーアップし、使わなければ無駄なコストもかかりません。
セキュリティも安心
AWSのセキュリティ機能を活かして、アプリやデータの安全も確保できます。)

こうした特徴により、Fargateは企業の大小を問わず、コンテナ運用の「やさしい選択肢」として選ばれています。

4. 導入時に気をつけること

便利なFargateですが、導入にはいくつか注意点もあります。

事前の設計が大切
「どのようなアプリを、どの時間帯に、どれくらいの規模で動かすのか」を事前にしっかりと決めておくことが重要です。これによって、Fargateが効率よく動くようになります。
ログやデータの管理
アプリが出力する情報(ログ)をきちんと保管し、後から確認できるようにしておくことで、トラブル時もすばやく対応できます。
コストの見える化
どれくらいお金がかかっているかを定期的にチェックし、無駄がないかを確認する仕組みも必要です。

これらの工夫によって、Fargateの強みを最大限に活かすことができます。

5. コンテナ運用の最適解としてのFargate

Fargateは「必要なときに、必要なだけ使う」ことができるサービスです。
つまり、会社の業務が忙しい時間帯にはシステムの処理能力を自動的に増やし、夜間などアクセスが少ない時間にはリソースを減らしてコストを抑える――そんな柔軟な運用ができます。

さらに、万が一サーバーに障害が起きても、Fargateが自動的にアプリを別の安全な環境で再起動してくれるため、システムが止まるリスクも大幅に下がります。
これにより、担当者が不在の時間帯でも安心して運用を任せられるのです。


Fargateは、コンテナ技術のメリットを最大限に活かしながら、「難しさ」や「面倒さ」を手放せる仕組みです。サーバーの管理をせずに済むので、専門知識がなくても使いやすく、アプリを効率よく動かすことができます。

AWS環境で「これからコンテナを活用したい」と考える企業やチームにとって、Fargateはまさにコンテナ運用の最適解だといえるでしょう。

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