Web3.0時代に進化するID管理の未来予想図 コラム#110

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1. 技術の波が押し寄せるとき、IDの意味も変わる

Web3.0という言葉、あなたも最近よく耳にしませんか?これは単なるバズワードではなく、インターネットの根幹が変わる大きな波です。今までのWeb2.0では、私たちのIDはGoogleやFacebookなどのプラットフォーマーに「借りている」ものでした。しかしWeb3.0の世界では、それを「自分で持つ」ことができるようになるのです。自分の情報を自分で管理できるようになるというのは、技術者としてもユーザーとしても非常にワクワクする未来ですよね。

2. 自己主権型ID(SSI)が主役に

Web3.0で中核をなすのが「自己主権型ID(Self-Sovereign Identity:SSI)」です。これはブロックチェーン技術と密接に関係しており、個人が自分のID情報を安全に保管・提示できる仕組みです。例えば就職活動の履歴書や学歴証明、あるいは医療情報などを、必要なときにだけ見せることが可能になります。これにより、情報漏洩リスクも減らせるし、何より「自分のデータは自分のもの」という当たり前が実現するわけです。

3. Webアプリケーションの現場でも必須スキルに

私は今までの経験でこれからのアプリケーション開発には、ID管理の考え方が大きく影響してくると考えています。これまではOAuthやOpenID ConnectなどのID連携技術を使っていましたが、Web3.0では分散型ID(DID)を前提にした設計が求められます。エンジニアはDIDの仕様や、VC(Verifiable Credential)と呼ばれる認証手段をしっかり理解していく必要があるでしょう。新しい標準に慣れるのは大変ですが、だからこそ面白いんですよね。

4. 未来のユーザー体験はもっとスマートに

ID管理の進化は、私たちの体験にも大きな変化をもたらします。たとえば、複数のWebサービスで毎回パスワードを入力したり、メールで認証リンクを踏んだりする煩わしさがなくなります。ユーザーは一度自分のDIDを使って認証すれば、シームレスにさまざまなサービスにアクセスできるようになるでしょう。これはまるで、一つの鍵でいろんなドアを開けられる「未来のマスターキー」です。

5. セキュリティとプライバシーは常に重要なテーマ

もちろん、どんなに便利になってもセキュリティとプライバシーの問題はついてまわります。Web3.0では情報を分散化することで、一点突破による大規模情報流出を防げるメリットがありますが、それでもDIDウォレットが乗っ取られるリスクなどはゼロではありません。利用者にも、そして開発者にも「情報を守る」という責任がますます重くなるでしょう。技術だけでなく、教育やリテラシーの向上も必要になってきますね。

Web3.0時代のID管理は、私たち一人ひとりが自分の情報を自分で守るという新しい常識を作ります。エンジニアとしては、DIDやVCなどの技術を理解し、サービス設計に活かすことが求められます。ユーザーもIDの仕組みを知り、主体的に管理する意識が重要です。未来のインターネットは、より自由で安全な世界へと進化していくでしょう。

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